固い意志<硬い石
- 博己 長浜
- 2016年6月15日
- 読了時間: 2分

離れの床下の作業が終わり、ホッと一息けたと思ったら、西側の縁側の雨戸が閉まりにくい。42ミリジャッキアップしたため縁桁は上がったものの縁側の高さはそのままだ。雨戸を閉めてもガタガタですぐに外れる。雨戸をしっかりと収めうには縁側を上げる必要がある。
「今までなかった束石を設置して、束柱できちんと支えよう」と、U田棟梁が再びジャッキアップを判断。
下準備は私の担当だ。
たまたま庭の片隅で見つけた3個の束石はバッチリ使えるが、残り一個がどうしても見つからない。庭に埋めている石材を掘り起こして、使えそうな石を見つけた時には大いに喜んだ。「やや大きくて、形も整っていないがきっと使える」
それから、4個の束石を置く場所を決める。巻尺を当てたらピンチ。2個が沓脱ぎ石に当たってしまう。

「沓脱ぎ石が動くようなら動かそう」とバールやツルハシ、スコップを使ってチャレンジ。ひとつの沓脱石は、15cmほど動かせばどうにか束石を収めれそうだ。バールを深くいれ、てこの原理で全体重をかけて押すと、ごくわずかだが動いたような気がする。これはなんとかなりそうだ。できるかもしれない。そう思うとファイトがわいてくる。渾身の力を込めてバールで数センチずつ動かし続けること数時間。いや半日がかりのひと仕事だった。でも充実感をたっぷり味わった。
それから一週間後の6月11日(土)、もうひとつの沓脱ぎ石の移動に挑戦。10センチは動かしたい。前回同様にやってみるがビクともしない。石の周りをスコップで掘るが、どのくらい埋まっているのかも分からないほど深い。これを動かすのは諦めるしかない。
きっちりと束石を収めるには、石を割るしかなさそうだ。石工のごとくハツリノミ(タガネ)をハンマーを打つが、かこう岩はなかなか割れない。表面が少しずつ剥がれる程度だ。尖っていたタガネの先端部分はいつの間にかつぶれ丸くなる始末。その様子を見かねた長男は「グラインダーで切ったらどうだろう」と言うが、このアドバイスには耳をかさず、ハンマーで叩く頑固ぶりを発揮する私。でも、私の意思よりもはるかに石は硬いことを思い知らされた。この半日は心身ともに疲れきった。
さすがに2個目の沓脱ぎ石の移動は諦めたが、次は、飛び石を並べてみようと考えている。心は折れていない。(LB)
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