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42ミリの感動

  • 執筆者の写真: 博己 長浜
    博己 長浜
  • 2016年5月25日
  • 読了時間: 2分

 「ヤッター 大成功だ!」と、棟梁が少年のように歓声を上げ、はしゃいだ。

 5月21日(土)、棟梁と私は、床下に潜り、窮屈な姿勢で1本の通し柱のジャッキアップに挑戦していた。

 ゴールデンウイークから毎週続け、この日完了を目標としてきた。一週間前にはようやく3センチアップに成功。この時も、「やればできるもんだ」と二人で讃えあった。思えばこの一か月は、地道な作業の繰り返しだった。

 通し柱に25ミリの鉄の丸棒を刺し、その丸棒と土台に3個のジャッキを当てて、少しずつ、少しずつ慎重に上げる。すると、意外にも早く鉄棒が悲鳴を上げ、Ⅴ字に曲がってしまう。そうなると丸棒を交換せざるをえない。上がった空間に固い樫の木を挟んでジャッキを下ろす。そして、丸棒を交換。それからまたジャッキアップするという繰り返しだ。上がるほどにミシミシと鳴く建物の荷重に耐えられず丸棒はすぐにⅤ字に曲がるということも学習。

 「もうここまでか、3センチが限界かな?」「鉄棒をステンレス鋼に替えたらどうだろう?」「あと1センチ上がれば完璧だがな」などと問答し、一週間前に再挑戦を決意。棟梁がステンレス鋼を、私が厚み1センチの鉄板を準備することとなった。

 ホームセンターを何軒回っても、厚み1センチの鉄板を見つけることはできなかった。一番厚い鉄板は6ミリだそうだ。30センチ角の鉄板を購入して、15センチ角の鉄板に切り分け、2枚重ねて使えば12ミリだ。(2枚は予備) ホームセンターで切断もしてくれるものだろうと思い込み、頼んでみるがあっさりと断れる始末。「自分で切ってください、6ミリの鉄板を切るのは結構難しいですよ。怪我をしないように気をつけてください。サンダーの刃はこれがいいですね。4枚あれば足りるでしょう。」 と勧められ、結局、30センチ角の鉄板一枚とサンダーの刃を3枚購入。

 それ以来、「切るのは難しいし、危ないですよ」という言葉だけが耳の奥にこびりついて離れない。そんな時、信号待ちで車を停車したら目の前に「○○鉄工所」の看板。突然、「厚み1センチの鉄板をください」と頼み込み、9ミリと12ミリの鉄板2枚を購入。(鉄工所では、切断の機械や作業の様子も見させていただきながら、鉄板の厚みは、3ミリ単位ということなど教えてもらい、得をした気分だ。)

 21日(土)、ステンレス鋼はⅤ字に曲がりながらも、何とか持ち応えてくれた。そのおかげで12ミリの鉄板と30ミリの樫の木を通し柱の下に敷くことに成功。

 いろいろ大変なことも多かったが、それ故に42ミリの感動は大きい。これが古民家再生の楽しさ、喜びかもしれない。(続きは次回)

 写真は、長さ5メートル超のテーブルの塗装の様子。半分塗装、残り半分は未塗装。裏面で試し塗装(塗装の練習) (LB 長浜博己)


 
 
 

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